【WEBいきもの図鑑】08|キタキチョウ

こんにちは。「Midori_Times.net」編集部です。

広域渋谷圏に暮らすいきものたちをご紹介するWEBいきもの図鑑。今回取り上げるのは、街の中でもふと目にする機会の多い「キタキチョウ」です。

春から秋にかけて、公園や道ばた、街路樹の周辺などで、ひらひらと舞う小さなキタキチョウ。どこか控えめで、気づくと、すっと姿を消してしまうその動きは、都市の風景の中にさりげなく溶け込んでいます。

また、キタキチョウは、特別な自然環境がなくても生きていけるたくましさを持つ一方、植物との深い関わりの中で暮らしています。その生態を知ることで、都市の中にある自然のつながりが見えてきます。

キタキチョウはどんなチョウ?

キタキチョウ(シロチョウ科)は、本州から四国、九州、南西諸島まで広く分布する、体長は約2〜2.5cmの小型のチョウです。鮮やかな黄色の翅(はね)が特徴で、オスは明るいレモン色、メスはやや白っぽい色合いをしています。

飛び方は軽やかで、地表近くの低い位置を、ひらひらと舞うように移動します。派手さはないものの、その姿はとても親しみやすく、都市の中で自然を感じさせてくれる存在です。活動期間は長く、春から秋を中心に、暖かい年にはほぼ1年を通して見られることもあります。都市の中でも比較的観察しやすいチョウのひとつです。

植物とともに生きる暮らし

続いてキタキチョウの生態についてより詳しく見ていきましょう。

キタキチョウの暮らしは、植物と深く結びついています。幼虫は主にマメ科の植物(ネムノキやハギ、クローバーなど)を食べて育ちます。これらの植物は公園や空き地、道路脇など都市部でも比較的多く見られるため、キタキチョウは都市環境に適応しやすいチョウといえます。

また、成虫になると、花の蜜を求めてさまざまな植物を訪れます。低い草花の間を行き来する姿は、足元に広がる小さな自然を感じさせてくれます。

さらに、季節によって翅(はね)の色や行動が変化するなど、環境に適応する力も備えています。こうした適応力の高さが都市で生き抜く力につながっているのかもしれません。

キタキチョウと都市の生態系

キタキチョウは、生態系の中で花の蜜を吸う際に花粉を運ぶ「ポリネーター(花粉媒介者)」としての役割も果たしています。一匹一匹の働きは小さくても、さまざまな花を訪れることで植物の受粉を助け、都市の緑の循環を支えています。また、成虫が鳥やクモに捕食されることで、食物連鎖におけるエネルギーの流れを支えています。

東急不動産と地域環境計画が2023年から行っている生物モニタリング調査でも、フォレストゲート代官山、渋谷サクラステージ、渋谷新南口といった複数の施設でキタキチョウが確認されました。その姿が東京の真ん中で確認されたことは、都市部でも草花や低木といった身近な緑がしっかり根付き、小さないきものが暮らしていることを示しています。

東急不動産はこれからも、都市の自然環境を見つめながら、人といきものが心地よく共生できるまちづくりに取り組んでいきます。