【WEBいきもの図鑑】07|カワラバト
こんにちは。「Midori_Times.net」編集部です。
広域渋谷圏に暮らすいきものたちを紹介するWEBいきもの図鑑。第7回はカワラバトです。カワラバトは野生のハトを祖先とし、人と密接に関わりながら世界中に広がりました。都市の環境によく適応し、日本では最も身近な鳥のひとつです。早速生態や人との関わりを見ていきましょう。
個体差の大きい理由は?
カワラバト(ハト科)は、体長30〜35cmほどです。ずんぐりとした体つきと小さめの頭、丸みのある翼が特徴です。多くの個体は灰色の体に黒い2本の翼帯を持ち、光の当たり方によって首元に緑や紫に輝く金属光沢が見られます。
また、羽色のバリエーションがとても豊富で、白っぽいもの、黒っぽいもの、まだら模様のものなどさまざまな姿の個体がいます。これは、長い歴史の中で人による飼育や品種改良が行われ、その子孫が広がったためと考えられています。
カワラバトは世界各地で食用や伝書鳩として飼育され、長い距離を飛んで帰巣する能力が人に利用されてきました。都市で見られるカワラバトは、こうした飼育個体の子孫が野生化したものと考えられています。
主なエサは植物の種子や穀物などです。都市圏では人の残したパンくずなどを食べることもあります。地面を歩きながら小さく首を前後に動かしてエサをついばむ様子は、街中でもよく見られます。
ちなみに鳥類の多くはくちばしで水をすくい、顔を傾けて飲み込みますが、カワラバトをはじめとするハトの仲間はストローのように水を吸い上げて飲むことができます。
都市への適応と生態系の中での役割
カワラバトの祖先は、もともと断崖の岩場などに巣をつくり暮らしてきました。都市部に見られるビルの壁面や橋の下、高架のすき間はそうした岩場に似た環境です。都市にはこうした場所が多く、天敵も比較的少ないことから、カワラバトは街の中に暮らしやすい環境を見つけて生息しています。
主に春から夏が繁殖期ですが、条件が整えば1年を通して繁殖することもあるようです。巣は小枝などを簡単に組み合わせたシンプルなもので、通常1回の産卵で2個の卵を産み、オスとメスが交代で卵を温め、子育ても協力して行います。
また、前述のとおり、植物の種子や穀物などを食べるため、カワラバトは植物の分布拡大に貢献することがあります。一方、タカやハヤブサなどの猛禽類に捕食されることもあり、食物連鎖の一部を担う存在でもあります。
「おもはらの森」とカワラバト

都市の中心部でも、カワラバトはさまざまな場所で暮らしています。ビルのすき間や公園、広場などを観察してみると、意外な場所で羽を休めている姿に気づくことがあります。
東急プラザ表参道原宿「オモカド」の屋上庭園「おもはらの森」でも、2012年から実施してきた観測でカワラバトの姿が確認されています。
都市の中につくられた緑地は、昆虫や鳥など、さまざまないきものが立ち寄る場所です。カワラバトは人にとって非常に身近な存在だからこそ、都市といきものの関係を考えていく上で、大きなヒントをくれる存在なのかもしれません。
東急不動産ではこれからも、人と自然が心地よく共生できるまちづくりを続けていきます。