【WEBいきもの図鑑】10|イチモンジセセリ

こんにちは。「Midori_Times.net」編集部です。

夏から秋にかけて、公園や草地で素早く飛び回る茶色いチョウを見かけたことはありませんか?花から花へとせわしなく移動し、時にはピタッと葉の上に止まる。そのかわいらしい姿から、昆虫好きの間でも親しまれているのが「イチモンジセセリ」です。

イチモンジセセリは都市部の公園などでも頻繁に観察される、都市の自然を支える身近ないきものです。今回は、そんなイチモンジセセリの特徴や暮らし、都市環境との関わりをご紹介します。

イチモンジセセリはどんないきもの?

イチモンジセセリは、チョウ目・セセリチョウ科に分類される体長2cm前後の昆虫です。全体的に茶色っぽい体色をしており、後翅(はね)に並ぶ白い斑点が一文字に見えることから、「イチモンジセセリ」と名付けられました。

一般的なチョウに比べると、ややずんぐりとした体型と大きな目が特徴で、どこか親しみやすい印象です。ハチのように非常に素早く飛ぶため、最初はチョウだと気づかない人もいるかもしれません。

日本では本州から沖縄まで広く分布しており、とりわけ草地や公園、水辺など、イネ科植物の多い環境で見ることができます。都市部でも夏から秋にかけて頻繁に観察されます。

花の蜜を求めて飛び回る

イチモンジセセリは、さまざまな花を訪れて蜜を吸います。特に草地に咲く小さな花によく集まり、忙しそうに飛び回り、長い口をストローのように伸ばして花の蜜を吸う姿が印象的です。

こうした行動は、植物にとっても花粉を運んでもらうことで分布域が広がっていくというメリットがあり、イチモンジセセリは生態系のなかでポリネーター(花粉媒介者)の役割も担っています。

一方、イチモンジセセリの幼虫は、イネ科植物を食べて成長します。チガヤやススキ、芝生など、私たちの身近にある草が主な食草です。また、幼虫は葉を丸めて巣のような空間を作り、その中に隠れながら生活します。何気なく見える草地も、イチモンジセセリにとっては大切な住まいになっています。

都市の緑地と小さないきもの

イチモンジセセリのような小さな昆虫は、大規模な自然だけでなく、小さな草地や花壇、街路樹の周辺なども利用しながら生きています。そのため、都市の中に点在する緑地同士がつながることで、いきものが移動しやすい環境が生まれます。

東急不動産では、都市における生物多様性の保全や、自然と共生するまちづくりを進めるとともに、自然環境の調査や保全を専門とする(株)地域環境計画と共同で広域渋谷圏の生物モニタリング調査を行っています。

2024年のモニタリング調査では、渋谷サクラステージ、フォレストゲート代官山、東急プラザ原宿「ハラカド」といった複数の商業施設やオフィスビルでイチモンジセセリの姿を確認しました。

公園や緑地で素早く飛び回る小さなチョウを見つけたら、ぜひ足を止めてみてください。その羽ばたきの向こうに、都市と自然のつながりが見えてくるかもしれません。

東急不動産は、都市で暮らす小さないきものたちに目を向けながら、人と自然が共生するまちづくりを進めてまいります。