【WEBいきもの図鑑】13|ニホンヤモリ
こんにちは。「Midori_Times.net」編集部です。
都市で暮らす身近な生きものたちをご紹介するWEBいきもの図鑑。今回取り上げるのは、家の壁や窓辺でひっそりと暮らす「ニホンヤモリ」です。
夜間、建物の外壁や街灯の近くで、トカゲのような小さな爬虫類が歩いているのを見かけたことはありませんか? 爬虫類と聞くと少し身構えてしまう方もいるかもしれませんが、ニホンヤモリは私たちのすぐそばで生活する、とても身近な生きものです。
「家を守る」と書いて「家守(ヤモリ)」。その名前のとおり、昔から縁起のよい生きものとして親しまれてきました。また、都市の生態系を支える大切な役割も担っています。
ニホンヤモリはどんな生きもの?
ニホンヤモリは本州・四国・九州を中心に日本に幅広く生息する小型の爬虫類です。体長は10〜14cmほど。周囲の環境に合わせて灰色や薄茶色の体色をしており、景色に溶け込むように暮らしています。
指先には細かな毛が無数に生えており、ガラスやコンクリートの壁、天井なども自由自在に歩くことができます。そのため、人の住む家やビル、公園の施設などを生活の場として利用することが多く、都市環境に適応した代表的な野生生物のひとつと言えます。
また、ニホンヤモリは、昼間は建物のすき間や壁の裏などで休み、夜になると活動を始めます。街灯や窓明かりに集まる昆虫を探して歩く姿は、都市ならではの風景ともいえるでしょう。
害虫を食べる「夜のハンター」
続いて、ニホンヤモリの暮らしを見ていきましょう。
肉食性のニホンヤモリは、蛾や蚊、ハエ、小さなクモなどを食べています。街灯や照明の周りに昆虫が集まることを本能的に知っており、夜になると明るい場所でじっと獲物を待ち構えます。日中は目立たない存在ですが、夜の街では小さなハンターとして活躍しています。
このように人にとっての害虫を食べてくれるニホンヤモリは、昔から「家を守る生きもの」として大切にされてきました。もちろん人に危害を加えることはなく、毒もありません。
ちなみにヤモリの仲間には、驚いたりストレスを感じたりすると自ら尻尾を切る「自切(じせつ)」という習性があります。
これは外敵から身を守るための習性で、切られた後も動き続ける尻尾に外敵が気を取られている隙に、ヤモリは素早く逃げ出します。尻尾はしばらく経つと動かなくなりますが、その後再生します。
都市の豊かさを教えてくれる存在
ニホンヤモリが暮らすためには、餌となる昆虫と、身を隠せる場所、安全に過ごせる環境が欠かせません。都市のなかでヤモリが見られるということは、小さな昆虫をはじめとする生きものたちが暮らしている証でもあります。
実際、街路樹や公園、緑化された屋上、建物周辺の植栽など、多彩な緑が点在する都市には、昆虫が集まり、それを食べるヤモリをはじめ、さまざまな生きものが生息しています。夜の街を歩くときは、建物の壁や窓辺にもぜひ目を向けてみてください。小さな「家守」との思いがけない出会いが待っているかもしれません。
東急不動産では、これからも生物多様性に配慮した、人にも生きものにも心地よいまちづくりを進めていきます。