【WEBいきもの図鑑】12|キアゲハ
こんにちは。「Midori_Times.net」編集部です。
広域渋谷圏に暮らす身近な生きものたちをご紹介するWEBいきもの図鑑。今回は黄色と黒の美しい模様が印象的な「キアゲハ」です。
春から秋にかけて、公園や河川敷、花壇などで、ゆったりと空を舞う姿を見かけることがあります。アゲハチョウの仲間の中でもひときわ鮮やかな黄色い翅(はね)は、思わず目を引く存在です。
華やかな見た目とは対照的に、キアゲハは植物との深い結びつきの中で暮らしています。その暮らしを知ることで、都市の中で受け継がれてきた自然のつながりが見えてきます。
キアゲハはどんなチョウ?
キアゲハ(アゲハチョウ科)は、北海道から九州まで広く分布する大型のチョウです。翅を広げると8〜10cmほどになり、黄色い翅に黒い模様が入る姿が特徴です。よく似たナミアゲハよりも黄色みが強く、前翅(ぜんし)の付け根が黒く見えることなどで見分けられます。
飛び方は力強く、それでいて滑るように優雅です。花から花へと移動しながら蜜を吸う姿は、初夏から秋にかけての風景を彩ります。都市部でも、公園や緑地、家庭菜園など、食草となる植物がある場所で見かけることがあります。
野菜やハーブとともに育つ幼虫
続いてキアゲハの生態について見ていきましょう。
キアゲハの幼虫は、セリ科の植物だけを食べて育ちます。ニンジンやパセリ、ミツバ、フェンネルなど、私たちの食卓でもなじみ深い植物が、幼虫にとって大切な食草となります。そのため、家庭菜園やコミュニティガーデン、公園の植栽などに卵を産み付けることもあります。
生まれたばかりのキアゲハの幼虫は、鳥の糞(ふん)に似た保護色をしていますが、成長すると鮮やかな緑色に黒い帯とオレンジ色の斑点が現れます。敵に襲われそうになると、「臭角(しゅうかく)」と呼ばれるオレンジ色の器官を出して身を守ります。昆虫たちが長い時間をかけて身につけてきた、生き残るための工夫です。
花と昆虫をつなぐ存在
キアゲハは、花の蜜を吸う際に花粉を運ぶポリネーター(花粉媒介者)として、植物の受粉を助ける役割を担っています。さまざまな花を訪れることで植物の命をつなぐ一方、鳥やクモなどの餌にもなるなど、生態系の中で欠かせない存在です。
都市エリアでは、花壇や草地、菜園といった一見すると小さな緑地であっても、こうした昆虫たちにとっては大切な生息環境になります。食草となる植物や蜜源植物が点在することで、キアゲハをはじめとする多くの昆虫が、都市の中でも暮らし続けることができます。
言い方を変えれば、都市においてキアゲハのような小さな昆虫の姿が見られるのは、目立たないながらもしっかりとした自然が根付いている証なのかもしれません。
東急不動産は、これからも身近な生きものに配慮したサステナブルなまちづくりに取り組んでまいります。